「眼トレ」本の読書メモ。やはり重要なのは血流なのか?

『驚くほど目がよくなる! たった10秒の「眼トレ」「近視」「遠視」「老眼」が9割治る』日比野佐和子著(SB新書)の読書メモです。

視力を回復させる本を読んでまして、今のところ自分に一番フィットするのが沖正弘さんの本なのですが

>>【関連記事】視力回復はできると思いたい。『眼がよくなる本』に希望を感じる

一方でいろいろな方面からの研究結果や考え方は取り入れておきたく、共通して言っていることがあれば、それはかなり有効な方法だと思うので、まとめていきたいと考えています。

ということで、日比野佐和子さんの本の読書メモです。

『たった10秒の「眼トレ」』概要

2017年4月発行。

著者は内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクターの日比野佐和子さん。監修者は日本眼科学会認定眼科専門医の林田康隆さん。著者の弟さんだそうです。

本の構成は、タイトルにある「眼トレ」・また「眼トレ」に付随するエクササイズが本の5分の1くらいを占めるでしょうか。

そのほかは平易な物言いになりますが、目にいいこと、悪いことを中心に書かれています。ズバリ視力だけに焦点を当てた本、というわけではない印象。

一筋縄でいかなかったと予想されるタイトル

タイトルについては、率直に言って盛っています。

『驚くほど目がよくなる! たった10秒の「眼トレ」「近視」「遠視」「老眼」が9割治る』

これは一見「10秒の眼のトレーニングで目がよくなる」と思い違いをしてしまいそうなタイトルなのですが・・いろんな事情があったのだろうなあと。

私は出版社にいたのでよくわかるのですが、とくに実用書のタイトルは、著者が決めたタイトルを好きにつけられるわけではなく、また担当編集者の一任で決められるわけでもないんですよね。

上の方々や会社そのもの、そして時代背景なども複雑に絡んできますからこのタイトルになったのだろうと察しますが・・

脱線しましたが、とにかく10秒のトレーニングをして眼が治る本ではありません。

そして『「近視」「遠視」「老眼」が9割治る』となっていますが、本の中では「治る」の表現はないです。治ることについての数値的データもとくに記載はなかったので、タイトルはいろんな事情があったんだなと推測せずにはいられません。

著者である日比野さんが伝えたかったのは、以下の主張なのではないかと思いました。

老眼やそのほかの目の不調も、生活習慣やトレーニングで食い止められることが数多くの研究によって証明されています。

目も私たちの体の一部です。

目の健康をきづかうことは、体全体を若々しく健康にすることにつながります。目が若返れば、肌も体もどんどん若返ることは、私の数多くの患者さんが立証してくれています。

やはり「治る」とは断言できなくて、「食い止められる」なのだと。

ゴリゴリの西洋医学の本ではない 

また、前述した沖正弘さんの本をざっくりと分類するとすれば東洋医学からの見地なので、視力回復に関して多方面から考察するために西洋医学っぽい感じがする本書を手に取った経緯があるのですが

読んでみると、ゴリゴリの西洋医学から見た視力の話ではありませんでした。

あくまで専門知識のない素人である私の印象なのであまりアテにならないと思いますが、むしろ東洋的なイメージがする本でしたね。

目にとってよくないこと

では目にとってよくないことを本書よりかいつまんで列挙します。

・医学的には毎日30分以上連続して近くを見続けると、近視が進んでしまうというデータがある

エアコンの効いた部屋で、コンタクトレンズをしながら、パソコンやスマホを見る

 ドライアイを引き起こしやすくなる。

・乾いた目に何度も目薬をさす

逆にドライアイを悪化させてしまう。なぜなら目の表面を保護する「ムチン」を洗い流してしまうから。

また目薬に含まれる多少の防腐剤が、目の表面が荒れる原因にも。

・睡眠不足

目に疲れがたまってしまう。

・酸素不足

内側からも、外側からも目には酸素が必要不可欠。

では次は、この「酸素不足」に焦点を当ててみましょう。

内側からの酸素不足は、なぜなるのか?

人間の生命活動の基本は、酸素を体内にとり入れることにあります。私たちは、呼吸によって酸素をとり入れ、血流によって体中の細胞に届けています。

 目に限らず、酸素は体全体が必要としているということですね。

目が酸素不足になる原因は?

・目の酷使

目の周りの筋肉が凝り固まり、血流を滞らせてしまう。

・何かを凝視する作業が増える

まばたきの回数が減り、目の表面が酸素不足に。

・コンタクトレンズの乱用 

・運動不足

体全体を動かす機会が不足すると、血行が滞りがちになる。

・呼吸が浅い

スマホやゲームに夢中になったり、交感神経が過剰に活発になったり、ストレスで緊張状態が続くと呼吸が浅くなる。

目にとってよいこと 

まず先ほど列挙した「目にとってよくないこと」の逆をやるのが、目にとっていいことです。

またどの病気でもそうですが、

生活習慣を整えることで、今感じている目のトラブルをやわらげ、よい状態に改善することができるのです

 生活習慣を整えるのは、避けて通れないようですね。

そのほか本書より列挙すれば

・目を温める

目も冷えが続くと、全般的な機能が衰えてしまう。

簡単にできて効果的なのが「ホットタオル」。

・ 体全体の血流を促す。つまり体をこまめに動かす

目を温める効果をさらにアップし、維持させるため。

 ・深呼吸

交感神経が過剰に優位になると、血管が収縮してしまう。副交感神経を活性化させるには、深呼吸。

・血糖値を上げない。糖化を防ぐ

血液中のだぶついた糖分は、血管を傷つけるため。

・パソコン画面との距離を調整

理想は50センチから70センチ。

・照明やスマホなどの画面に気を配る

 部屋の照明と、画面の明るさに大きな差がないようにする。

 ・画面は、正面よりもわずかに下向きの視線で見るように設定

 画面を見上げる姿勢は、目を見開くためドライアイの原因になるため。

・ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEをとる

酸化を食い止めてくれる力が強い栄養素の代表格。とりすぎには注意。

・DHAとEPAをとる

目の健全な働きや、視力の改善などに必要。サバ、サンマ、ブリ、マグロなど青魚をしっかり食べる。

ここでは割愛しますが。そのほか、胃や腸内環境、ダイエット、ツボなどについても書かれています。

個人的結論 :ポイントは血流

 最後まで読んで思ったのが、本書は多岐にわたって書かれていますが、どうやら「血流」が重要なポイントのようだということ。

呼吸の浅さも、酸素不足も、運動不足も、自律神経の乱れも、冷えも、結局は血行が悪くなる、血流が滞ってしまうからよくないのですよね。

血流が滞ると、細胞に必要な酸素と栄養が行き渡らなくなります。特に、目のように細かい血管が集中している部分は、血流の影響を大きく受けます。

近視、遠視、老眼、そして眼精疲労など目のトラブルの原因は、複雑に絡み合っています。(中略)原因が重なっているということは、根本的な問題を解決すれば、近視、遠視、老眼、そして眼精疲労まで、まとめて軽減できる可能性が高いということです。

その根本的な問題を解決できるのが、血流を促すことなのです。

ほかの病気でも、血行、血流についてはよく言われることですよね。

 となるとやはり「目だけを部分的に治す」という考え自体を捨て去った方がよさそうです。しかしその方がしっくりくる。

いずれにしても、根本的に目の機能を回復させようと考えるのであれば、血流を促して「目を温めること」が大切なのです。

では今回は以上です。

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