視力回復はできると思いたい。『眼がよくなる本』に希望を感じる
コンタクトレンズやメガネを使っているものの、視力が悪いのが長年の悩みです。
レーシックなどもありますが、気が弱いので未だ勇気が出ません。
>>【関連記事】【術後の話もアリ】手術で視力回復した人の体験談7選まとめ(おもにブログ)
できれば手術なしで視力回復できたらベストだなと思っています。
ということでご紹介するのが、沖 正弘著『眼がよくなる本』。
著者の沖さんは手術なしで左0.04/右0.4→2.0に回復している人物で、こう言っています。
近視は治るものであることを断言しておきたいと思います。
現在、一般的には「近視は治らない」とされていますよね。
私も以前眼科のお医者さんに尋ねたら、「治らない」と言われたことがあります。
ですが一方で、沖さんの実体験や考え方もあるのは、知っておきたい事実。また、試してみても損はないでしょう。
では本書の基本的な考え、沖さんが実際に行って視力回復に効果があったことなどを中心に、ご紹介します!
『眼がよくなる本』概要
もともと本書が出版されたのは1975年。
では内容も古いのかといったらそんなことはなく、現代でも通づる普遍的な本です。
本書の副題は「ヨガの秘法であなたの近視も必ず治る」。
ヨガといっても、現代の日本でのイメージにあるような女性たちの美容のためのヨガとはちょっと違い、もうゴリゴリのヨガ。古来のヨガです。
なので人によっては、この本の基本的な考えを受け付けられない人もいると思います。
たとえば、第一に、近視の原因や治療についてはいろいろな学説や方法はありますが、いまだに確かなものはありません。
体そのものに備わっている回復力によって自然に治るという根本的な事実に従うより他にないというのが、ヨガの立場です。
上記考えが本書の根本にありますから、この考えに違和感を覚える場合には本書はおすすめできません。
また本書は「〇〇さえすれば眼はよくなる」といった立場でもありません。
ヨガ行法は全生活を通じて総合的に心身を正すことによって、部分の異常を自然的に治そうとするものです。
眼だけを治そうとしても無理だということです。心身をもっと総合的にとらえ、その自然性をたかめていくことが先決です。
これらの考えに違和感を覚えない、もしくは「なんか納得できるなあ」といった感情が湧いた方なら、『眼がよくなる本』はスイスイ読めるはず。
ただ昔の本らしく、字が小さく書体も昔っぽいので思わず「視力回復の本なのに・・」と頭をよぎります 笑↓
表紙もちょっと怪しいし、「ヨガの秘法」とかちょっと大丈夫・・? と心配になるかもですが、大丈夫。怪しい本ではありません。
根底がしっかりしていて信頼に値する本だと思いました。
著者:沖 正弘さん略歴
本書巻末の著者紹介から、とっても簡単に説明します。
沖 正弘(おき まさひろ)
1921〜1985年。
中国で漢方医学と禅を学び、モンゴルとチベットではラマ教を修行。またインドでヨガの修行を積む。
1967年にヨガ修行道場を開き、ヨガ・禅・医学の統合を提唱。
知っておきたい本書の内容
ではここからは、「これは知っておきたい」と感じた本書の知恵を抜粋してご紹介します。
視力が低下する原因
視力の異常をつくりだす悪癖(原因)として本書で挙げられているのは、次の3つ。
・緊張のつづきによる心身のコリ
・血行の不良
・不良血液
著者の沖さん自身はなぜ視力が低下したかというと
私がはじめて近視になった根本原因は、姿勢にあったと思います。
猫背で勉強を続けたそう。猫背になると、肩から上がうっ血して眼圧が高くなり、眼がつねにうっ血して緊張度が高くなるのです。
また正しい姿勢でないと、呼吸が浅くなる=緊張状態となります。
姿勢が悪いとどうしても呼吸が不完全になるからです。心を緊張させてはいけないというのは、それは呼吸が浅くなるからです。
さらに
・白米、白砂糖、肉食の過剰で酸性過剰の体質になっていると、うっ血しやすく疲れやすい
とも。
また視力低下について考えるときに肝心なのが、「原因の作り方は一人一人違う」ということ。
自分の場合の原因は何かを反省し、それに合った治し方をしていきます。
視力を回復させるためのポイント
病気は早期発見&早期治療が大切ですが、近視も例外ではありません。
そういえば、視力低下した小5の頃眼科に行ったら「子どもだから、まだ回復する可能性は高い」と目薬を処方されたことがあります。
私の場合は治りませんでしたが、子どもなら回復するのは大人より容易そうです。
現在30代ですが・・今が自分の中では一番早期ですから、早期治療のつもりでもろもろ試したいと思います。
さて脱線しましたが、沖さんが実際に目が良く見えるようになった経験を羅列しますと
・寮生活ではいわゆる粗食。この粗食が眼をよくするための一つの要素だった
・よく運動し、発汗した後は必ず視力がよくなっていた
・水浴の後、窓の外を見るとよく見えた
・1ヶ月断食したら(※おそらく夜は食べてた??)はっきりと見えるように。
※ただしそれ以上何もせず、また食べ始めると再び視力が低下してきた
・禅寺に入ってメガネを外した。結果的にメガネいらずになった
完全に回復したエピソードはこちら。
更にその後ヨガ修行に入ってから瞑想行法とともに修正法を知り、それを行うことによって完全に視力を回復しました。
おそらく2.0以上になったのでしょう。夜もよく見えました。
まずは、メガネを外すのが視力回復の第一原則」と断言しています。
ちなみにですが、こんなエピソードも。興味深かったので引用しておきます。
草原で砂が眼に入って炎症を起こしてしまいました。多分結膜炎だと思います。すると、あるラマ僧が、よもぎのような野草を摘んできて、しぼってその汁を私の眼の中に入れてくれたのです。
はじめはひどく痛みましたが、我慢していると、痛みがとれ、はれもひいてしまっただけでなく、大変よく眼が見えるようになりました。
葉緑素には血管を縮め、血行を強くする力があるので、それが効力を発揮したのです。
眼の回復によいこと
さてお次は、本書で紹介されている眼の回復に有効なことを書き出していきます。
【断食して、激しく運動すること】
これが一番早く血液を浄化する方法。
この方法は「近視、蓄膿症、難聴などの解消に素晴らしい卓効を示している」そう。
【断食】
断食だけを単独に行なっても、誰でも視力がある程度回復することに気づくでしょう。
全身的に筋肉が柔軟になり、神経のマヒが治り、血液が浄化され、カルシウムのイオン価が高まり、分泌液の働きがたかまるため。
【心のくつろぎ、心の落ち着き】
心身の緊張が近視の原因だから、その逆を行う。
【遠方を見る】
眼球を支える筋肉を伸ばすことになり、緊張をほぐし、休める効果をもっている。
【眼を閉じる】
このとき手のひらで覆うと、一層よく休ませることができる。
「眼をよく使う人、視力異常の人は、意識的に、眼を開閉することを行なってください」。
【眼を強くしめて、急激にゆるめることを繰り返す】
肩のこっている場合、肩に力を強くいれて、パッとゆるめると肩こりがとれるのと同じ理屈。
【閉眼して、眼玉を前につき出したり、後にひっこめたり、左右にまわしたりする】
眼玉の運動になるだけでなく、脳の血行・神経を刺激する効果も。
これをしばらく行ってから物を見ると、ハッキリ見えるはず。「眼玉は動静であるのが自然なので、この意識的訓練によって眼の自然性を高めることができる」。
【半眼で見る】
眼の力をぬくだけでなく、視力調整法にもなる。
【眼を日光浴させる】
眼を瞬間的に日光に当て、日光浴させる。長時間は害になるし、もちろん直視はいけない。長時間行うと、日焼け(皮膚炎)のように眼もやけどをする。
しかし、「瞬間的な眼の日光浴は、眼の強化法になる」。
【眼の日光浴と冷水浴】
日光浴のコツは、太陽に顔をむけ、まぶたの裏に明るい光を感ずるようにすること。
しばらくそのままで、次に瞬間的にパッと眼を開く。その後は必ず両手の掌で、つぶった両眼を軽く押さえる。以上を1日2~3回やる。
次に水の中でまばたきをして、眼の冷水浴をする。血管の収縮力を高め、血行をよくし、神経を覚醒する。
【眼をギュッとつぶる】
眼が疲れたと思ったら、涙の出るぐらいギュッと強くつぶって、パッとゆるめることを繰り返す。
眼の疲れをとり、血行をよくする。
【耳たぶを引っぱる】
眼の血行がよくなってくる。
その他
そのほか、眼の機能を高める体操や、基本的なヨガの方法、眼について、眼と関連してる体の部位なども詳しく紹介されています。
眼についてのページは専門的でついていけず、ちゃんと読んでません・・笑。
体操は↑こんな感じで時代を感じる、ほっこりするような図解になっています。
不調を治すときの本質
さて、 視力回復方法について繰り返し述べられているのが、
どんな病気でも、一人一人、その原因にも、治し方や治り方にも違いがあるのが普通であって、これは近視においても同じだから、完全に治すためには、自分の原因を知り、自分に適した方法を実行することが必要
また
誰にとっても言えることは、たとえ眼を治すよい方法を知ったとしてもそれを続けなければ、治りもしないし、退化してしまうということです。
肝心なことは、無理や無駄をしないで、続けることです。
この辺りは妙にしっくりきました。不調を治すときの本質というか、結局はここに行き着くというか。
何かを解決したい、と願うとき、ついついカンタンな方法を探ってしまいます。
〇〇さえすれば治る、〇〇するだけで一瞬でダイエットできる、5分で治る、〇〇さえ食べれば◯◯は完治する・・・などなど。
ついつい内容を見てみたくなりますよね。
ただ思うのが、結局は適切なことを継続する、ということに行き着くのではないでしょうか。
私は雑誌の編集者時代、医療系分野の雑誌に携わることが多かったのですが、どんな病気でも結局医師への取材の終盤に言われる予防や治療に重要なのことは、同じようなことでした。
適切な食事、適度な運動、規則正しい生活を続けるという誰もが聞いたことがあることですね。
ただ、やっぱりそんなの誰でも面倒だし、継続が難しい。地味だけどラクなことじゃないんです。毎日の生活もありますから。
だからついついラクに解決できそうなタイトルに吸い寄せられますし、作る側もキャッチーなことを抜粋してタイトルにしてしまいます。
私の場合は、自分で原因を作って自分のせいで眼が悪くなって困っているので、この事実を受け止めて対処していくしか方法はないのでしょう。
とはいえ本書の内容全部行うのはハードル高いので、眼にいいことは徐々に取り入れていきたいとは思っていますが・・(早速自分を甘やかしていてアレですけど・・)。
私はまずは姿勢ですね。超猫背で、また眼が悪くなった原因も姿勢が関係していると思うので。うん、姿勢ならそんなハードル高くないので、続けられそう。
姿勢をよくしたら、眼以外にもいいことありそうな気がします。
潮文社バージョンは中古のみ
余談ですが、↑本書出版元の「潮文社」さんは倒産したそう。
本屋さんで『眼がよくなる本』を予約したのですが、後日「倒産してて注文できない」と電話があり、ネットで中古で買った経緯があります。
ということで、本が手に入らなくなったときのことも兼ねて、よい本なのでネットに情報を残しておくことにした限りです。
・・・と思ったら、光文社さんが本書の改訂版を出版していました。
光文社さんに問い合わせたら、出版社をまたいで改訂版を出してくれたようです。今の時代に合うように表紙や内容も少し整えたりとのこと。確かに断然手に取りやすくなってますね! ▼
余談:ときどき見え隠れする沖さんの人生に度肝抜かれる
それと、本の内容についての余談なのですが・・
眼についての内容も興味深かったのですが、一番度肝抜かれたのが、著者沖さんの人生です。あと昔の人々の生活も垣間見れたのも。
もちろん彼の人生についての本ではないので、眼がよくなった経験談のついでに人生の片鱗が見えるくらいなのですが、
「学校は厳格だった。ポケットに手を突っ込んで歩いていれば、すぐに張り倒された」
今だったらもうSNSにアップされてメディア大騒ぎでしょうね。
「二年生の秋、武道具無しの剣道の試合で胸を突かれて肋膜炎になり、処置が悪くて結核になり、次第に視力も低下」
今だったら各所訴えられそうです。
「第二次世界大戦前から、私は軍の特殊諜報活動の任務につく運命が与えられ・・」
え?
「信仰心や研究心でラマ寺に入ったのではありませんでした。ラマ僧にならないとチベットに入れないからです」
おっと?
「ラマ僧修行中、マホメット教徒への工作の重要性を具申した私は、次の任務としてアラビア行きを指名されました」
次の任務・・・!!
本人はそのつもりないのでしょうが、驚きのあまり読み間違いかと思って二度見みならぬ二度読みしました。。
私、今ぬるい時代を生きてるんだなと思えてきまして、
そしたら平和な世の中で視力回復の生活を送るくらい、なんでもないことな気がしてきました。