ソフトコンタクトレンズをしたまま泣くと、レンズがくもる理由
コンタクトレンズをつけた状態で泣くと、コンタクトレンズがくもることがあります。
知らずに外出中に泣くと、眼前がくもって出かけ先から戻るのが困難になるので「あまりにも泣いたら、前が見えなくなるかも」と頭のすみに置いておくといいかもしれません。
ということで、一体なぜ泣くとコンタクトレンズはくもるのか? 理由を解説します。
涙に含まれるたんぱく質や脂質が原因
結論から言うと、涙に含まれるたんぱく質や脂質の汚れが原因で、くもってよく見えなくなってしまいます。
以前、泣いて前が見えなくなったときにコンタクトレンズをチェックしたら、まさに上の左写真・たんぱく質が付着したレンズと同じ汚れでした。
ではさらに詳しく見ていきましょう。
涙の成分
涙は見た目が水なので、たんぱく質? 脂質?と思うかもしれませんが、ざっくり分けて涙は以下の3つの成分から成っています。
・水分
・油分
・粘液(ムチン)
といっても涙の98%は水分。ほとんど水分ですね。
その水分を細かく分けるとじつはいろいろな成分が含まれており、塩化ナトリウム、カルシウム、たんぱく質、ビタミンA、酵素などが含有されています。
涙はいつでも分泌されている
なるほど、じゃあ泣いたらたんぱく質や油分が分泌されるってことね!
と思いますが、ここで留意したのは、涙は泣いたときにだけに分泌されるわけじゃないということ。
じつは涙は、泣いていないときでも常時分泌されているのです。
コンタクトレンズはこの涙に浮かぶようにして、目の表面に装着されています。
ならば、涙にたんぱく質や油分が含まれているなら、いつもレンズ汚れちゃうんじゃない? て話ですが、汚れませんよね。
これは、たんぱく質の「量」の問題なんです。
泣くとコンタクトレンズが汚れやすいパターン
たんぱく質が多い
まず、涙に含まれるたんぱく質の量が多いとコンタクトレンズが汚れやすいです。
人によって涙の量・質が違うので一概には断言できません。しかし泣けば泣くほど涙の分泌も増えますから、単純にレンズに触れるたんぱく質の量も増えて、レンズが汚れてくもります。
実際少しだけ泣いたくらいなら、ちょっと見えにくくなるくらいでしたが、大泣きしたときは視界がふわふわと白くくもって、街の様子がぼやっとしか見えなくなりました。
アレルギー体質の人
アレルギーを持っていない人に比べて、アレルギー体質の人は、涙に含まれるたんぱく質の量が多いといわれています。
なのでアレルギー体質の人は、レンズが汚れやすくなります。
ソフトコンタクトレンズがくもるそのほかの理由
余談ですが、ソフトコンタクトレンズがくもる原因は、大まかに分けて4つの理由があります。
① 涙に含まれるたんぱく質や脂質(油分)による汚れ
② 涙の量が少なく、目が乾燥している
③ コンタクトレンズについたキズ
④ コンタクトレンズについた汚れ
今回は①の涙の成分が理由でしたが、以上のようにほかにもくもる原因はあります。
コンタクトレンズユーザーにとっては「くもって見えにくい」はときに大変危険です。車の運転をする場合は、とくに気をつけたいですね。
もし外出先で泣きたくなったときには、(コンタクトくもる、くもる・・!)と念頭に置いて「うゎーん」としてください。